杜建築アトリエでは、北海道の木を内装に使うことをご提案しています。
札幌市の「小さな土地の2階リビングの家」でも、外壁材、床、天井といった、
毎日暮らす中で目にする、触れる場所で使用しています。
トドマツ、カラマツのサンプルを並べたものです。
左の白く淡い木地色がトドマツ、右の褐色を帯びている木地色がカラマツ。
どちらも経年変化で色味が深く変化していきます。
トドマツは淡白系で優しい様子。
カラマツは褐色系で力強い木目が特徴的です。
「小さな土地の2階リビングの家」では、オイルステイン塗装をしますが、着色せずに、木地色がそのまま表れるクリア塗装に。
日常の汚れが付きにくくする程度を目的にします。
トドマツ、カラマツといった松系は陽が当たり年月が経つと色が変化し、あめ色の傾向に。
そのこなれていく様子はなんとも味わい深い。
毎日見ていると分かりにくいですが、ある時、切り出したばかりの板と比べるとその差は歴然。
良い感じに年を重ねたね、と声をかけたくなります。
そして、針葉樹のもつ肌触りの柔らかさはやっぱり格別。
仕事の折、サンプルを触っていても「いいなぁ」とふとにやけてしまいます(笑)
特にサンプルは塗装前のものなのでどこか生まれたての様相。肌さわりも赤ちゃんの肌みたいです。
また、針葉樹は表面が硬質ではない分、この蒸し暑い夏でも、さらりとしてべたつきにくく、足触りも快適です。
実は例にもれず、小さな土地の2階リビングの家も、昨今の木材高騰、合板類の値上がりを受け、コスト調整が必須な状況に陥りました。
様々減額要素を検討しましたが、毎日広く目にするところ、触れるところには、これらの材料を使う判断を建て主さんと共に行っていきました。
きっと、暮らしていくとその判断が良かったと実感していただけると思います。
トドマツ、カラマツ、どちらも暮らしをしっかりと支え、ささやかに彩りを与えてくれるだろうと、設計者の私も暮らし始めて数年後の様子を楽しみにしています。