建築において係る人は多くいますが、その根本となる方は、もちろんその建物を使うお客様です。
手始め、どういった場所を望んでいるか、言葉にすることが難しいこともあります。
それをくみ取り形にしていくことが、設計の大切な仕事のひとつです。
そして、設計が形にした案をお客様が自分たちでフィードバックし考えやすいように伝えていく、考える形をつくることも設計者の大事な役割と私は考えています。
打ち合わせをしている以外の時間のほうが長いですから、お会いしていない間にご家族やご友人、チームでどうあることが良いかをおさらいしていく、深めていくことは実際に建物が完成し使い始めていったあとの充実に必ず直結すると思っています。
そのために、わかりやすくお伝えするために、図面の他、手書きスケッチや模型をつくっていきます。
そしてそれらをご自宅へお持ち帰りいただきます。
杜建築アトリエでは模型でプランを表現することも大事にしていきます。
たとえスケールが1/100の小さな立体物であっても、紙から立体へ立ち上がると、いろんな視点や気づきが。
それをご家族や友人、チームで見て確認していく、感じていくことが何よりもこれからの新しい居場所に向かって、共有の認識を持ち、喜びに変えていくソースになると考えています。
また、小さなお子様がいたりするとなかなか打ち合わせに集中しにくいこともあると思います。
例えばですが、そこに遊びの道具のような模型があったら。
そこに塗り絵ができそうな手書きの内観スケッチがあったら。
少しでも関わりを持てると、きっとお子様も一緒に同じ目標に向かって楽しめるきっかけになるのではと思っています。
建物を作るときには、ご希望の取捨選択、予算の調整など、難しく大変なことも起こっていきます。
だからこそ、打ち合わせ自体も楽しいイベントに感じられるような積み重ねをし、少しでもお客様にとって楽しみになるような、そんな進め方を創造していきたいと思っています。
新しい居場所が完成するまでの期間がより充実したものになるよう、私も設計者として整え共に作り上げていきたいと考えています。