今週の札幌市は最高気温30度越え、そして相対湿度も75%超えるという厳しい真夏日が続いています。

道北育ちで蒸し暑さの厳しい地域には暮らしたことのない私は、めっぽうこの季節が苦手です。
良いことと言ったら、木陰の気持ちよさを実感できる事と冷えたお酒が最高に感じられる事でしょうか(笑)

暮らす場においても、暑さを緩和するために、部屋に太陽の熱という日射が入りにくくする「軒を出す事」そして「庇」は大切な要素と思っています。

窓の内側にブラインドやカーテン等の遮へい物を設けると室内に影ができはしますが、ブラインドやカーテンに吸収された熱は、温放射として室内に放たれてしまいます。
窓にパネルヒーターがあるような状態になってしまい、室温が上昇傾向に。
そうなってしまうと、換気や通風だけではなかなか厳しいものがあります。

それよりも、「庇」、「簾をかける」、「サンシェードをつける」等といった方法で、室外で日射を遮ってあげるほうが効果的。
窓の外側の遮へい物に日射があたったとして、遮へい物に熱吸収されたとしても、外の風によってその熱が持ち去られていくことになります。
部屋の中にとどまって逃げにくい熱を出す対流の方法を考えるよりも、熱が部屋に入る前に部屋の外でどこかに散ってくれる方が室内の温度上昇が避けられるということですね。

また、南面の窓に庇があるかないかで、室内の日射熱取得を比べると、庇有りのほうが無しに比べて、日射熱取得が日中30%ほどに抑えられるとも言われます。

今年のような蒸し暑い夏が続くような、熱中症が危険視されるような夏も年によってあると思います。
庇等で日射を遮るといった対策をした上で、冷房を利用する等の判断をして身を守って、夏をよりよく過ごせるようになると良いなと思います。

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現在工事中の札幌市の「小さな土地の2階リビングの家」
建て主さんはベランダをご希望されていました。
南面側に山並みが見える景色が取れることから、リビングに隣接しながら、南側にベランダと窓を設けることに。

ベランダは奥行1.8mほどにしていますが、全体に庇がかかるようにしました。
夏の日差しはリビングに入る前に外で遮られます。
遮られはしますが、外の明るさを感じられるリビングになるだろうと想像しています。
また、庇があることで雨に濡れにくくなり、ベランダも長持ち。

北海道の夏は真夏日だとしても朝夜の気温は25度以下にはなってくることが多いですから、
その時間帯にはこのベランダで食事をしたり、朝のコーヒータイムや夜の晩酌をするのも良いかもと。

2023年9月に完成する「小さな土地の2階リビングの家」
来年の夏、建て主さんが庇のあるベランダの面白みと効果を実感していただけると嬉しいなと思います。