3年に一度の講習が終わりました。毎度のことながら新鮮さがあります。
何の講習かといいますと、設計事務所に所属している建築士にはもれなく課せられている「建築士定期講習」というものがありまして、建築士として守るべき職務を再確認したり、近年の法改正の動向を講義として受けて、最後にはテストを実施、合格すると無事に講習完了というものです。
コロナ以前は対面講義、テストがメインだったと思いますが、それが近年、丸一日位の講義そしてテストもオンラインで受けられるようになりました。
いやはや、とても便利です。
講習実施機関にカメラ等で受講してるかを抜き打ちでチェックされていまして、それはそれは身を引き締めて臨むわけですが、小休憩をマイペースに挟められるのはありがたやです。椅子に座り続けるのは腰が、、、(笑)
さて、今回の定期講習で気になったポイントは、既存建築ストックに関することがいくつかあったこと。
例えば一つに、2023年から住宅の自然採光の面積が緩和されました。
家で長い時間を過ごす部屋(居室)では床面積の1/7以上の窓面積が必要だったのですが、床面で基準以上の明るさを確保できれば1/10の窓面積で良い、という緩和です。
この窓面積を導く計算には、敷地境界線からの離れも関わっています。
北海道は敷地面積が広めでそれほど困ることはありませんでしたが、これからは札幌市の売地も狭小化の可能性もありえます。
また、既存住宅の改修で、これまでWICや納戸に使っていたような窓の小さな部屋をテレワーク(リモートワーク、在宅ワーク)の部屋にリノベーションしようといったときに使えたり。
はたまた、事務所や店舗を住宅に改修する(コンバージョン)というときに、住宅基準の窓面積が取れない、、、といった問題がこの緩和でクリアできるという流れもあります。
長く過ごす場所は、窓からの眺め、自然の光を感じながら過ごしてほしい!と私は考えますので、敷地配置の関係上や構造上で窓を増やすことが出来ず、あともう少しでクリアするのに、、、というときに使える裏ワザ的な緩和と捉えつつ。
世の中の需要や建築技術の発達に合わせて法改正が起こりますが、全部情報が追えるわけではなかなか無いので、定期講習で活かせそうな技を知れるのは有難い機会です。
そして、、、無事に。
2月下旬の本日、テストの合格通知が届きました。
時は1~2月、結果がおおよそわかっていたとしても、若干受験生の気持ちになっていた建築士。
一足早くサクラサクにほっとして(笑)、また通常の業務、図面に向かう日々が続きます。
改正に準じながら、これからも居心地の良い居場所つくりを考えていきたいと思います。