ただいま、住宅業界の建築では「今後どうなる?実際どうなる?」と動向を見定めていることがあります。
それは、2025年4月に建築基準法の改正が施行されること。
以前からその概要はオープンにされていて、建築確認の審査手順が変わること、構造関係の規定が変わることが注目を浴びています。
その中でも、私の関心毎は構造関係規定の変更。
耐力壁がどのくらい必要かは建物の大きさや建物の重さによって決まるのですが、この規定が42年ぶりに改正されるということ。(42年前、、、私が生まれた年です(笑))
この42年間に使用される建材や作り方も多様化し、建物の重さも変わってきました。
その重さにおける耐力壁の必要量が変わるらしいということで、11月に公表された内容をみてみると、、、
太陽光の有無、1階と2階の床面積のバランス、外壁、屋根の素材の選択で導き出せるようになっており、やはり必要な壁量は増加する傾向。
ただこの規定には、雪の重さについて問われている部分はありませんでした。
今回の法改正でなにか変更あるかなと思ったのですが無い模様。
たとえば、札幌市の積雪量を140cmとすると、1m2にかかる140cm分の高さの雪の重さは、、、420kg相当にもなります。
結構な重さです。
アップライトピアノ2台分とまでは言いませんが、1.5台分位に相当したりします。
もちろん実際は、屋根に積もった雪の高さが140cmになるまでに雪下ろししたり、落雪屋根のこともあると思います。
(構造計算でも雪下ろしや屋根形状を考慮できるようにはなっています)
この雪の重さも加味して耐震性を判断しようと考えると、住宅性能表示における耐震性の確認や許容応力度計算による構造計算を行うことになります。
いわゆる耐震等級2や耐震等級3という検討を行うための方法です。
そのうち、許容応力度計算では、建物に使う建材の重さを部位ごとに計算して行うため、正しく建物の重さを出せますし、かつ雪の重さを加味した検討が可能です。
建物の重さを正確に出せることは、必要な柱や梁の寸法を正しく判断できることに繋がり、建築コストにも直結します。
杜建築アトリエでは、この秋より設計監理する新築住宅については自社で許容応力度計算を行うことにしました。
自社内で構造計算を行うことで、ラフプランの段階から構造計画、検討を行えることは、耐震性の良いおうちづくりに直結すると考えています。
北海道、札幌にある小さな設計事務所ですが、コツコツ積み重ねて、安心して暮らせるおうちをひとつずつ丁寧に設計監理していきたいと思っています。
この許容応力度計算は、実務力をアップさせるためただいま絶賛セミナー講義受講中で、いずれこのことも記事にしたいと思います。
法改正のマニュアルが示され始めたこの初冬、引き続き、構造規定の動向を確認しつつ進めていきたいと思います。