先日、サッポロファクトリーへ。
娘が見たがっていた「すみっコぐらし展」へ行くのがメインでした。
かわいらしい展示にお土産にと大喜びの娘、良かったねとそのまま煙突広場に面するカフェ「タリーズ」でひと休憩。
サッポロファクトリーの煙突広場は、開拓使時代からビール醸造がされてきた歴史が残る「札幌開拓使麦酒醸造所」があり、サッポロビールが誕生した地でもあります。
かれこれ今から約150年前の開拓使時代に、ドイツで醸造法を学んだ日本人達により「開拓使麦酒醸造所」が誕生とのこと。
ビール作りは製造過程で低温にする必要があり、そのため、氷や水が豊富なこの寒い気候の北海道が選ばれたようです。
開拓使麦酒醸造所が誕生した際は木造2階建てだったらしいですが、ビール醸造に成功し札幌産ビールが知れ渡るようになるにつれて、レンガ作りの建物へと建て替えられていったとのこと。
一つ一つのレンガの粗さ、色、ゆがみ、そのそれぞれが積み重なって。
時間がさらに色を重ねた風合い。
レンガに埋もれるようにある窓、その縦長の形、アーチの造りはレンガ積みならでは。
格子も雰囲気が良いです。
煙突広場に面してある見学館の看板は木製の掘り込み文字。
板の風化が良い味わい。
当時は札幌市にもいくつかレンガ工場があり、そのレンガが使われていたそうです。
レンガに適する土が採れた札幌は本格的なレンガ製造業の先駆け地に。
この開拓使麦酒醸造所の他にも、赤レンガ庁舎や現在の札幌ビール博物館等がこの明治の時期にできています。
レンガは、土を掘り、形を作り、焼き、運搬と工程も多いですし、当時のレンガ工場は現金収入を得られる貴重な働き口で、当時の人たちの暮らしを支える格好の稼ぎ場だったようです。
この跡は補修したのか、それともなにかの接続部の痕跡なのでしょうか。
煙突広場から南側道路へ向かう小道へ。
アトリウム側とレンガ館側をつなぐ白い連絡通路の現代感も、レンガが引き立ってみえて私は好きです。
この小道の先は南側。南側の外壁にはツタがレンガに伸び伸びと広がり。
レンガの温かみある素材と年月による風化による質感、四季を感じるツタ。
時の変化を感じされるもの同士、相性が良い雰囲気で、私はとても好きです。
サッポロビールのマークも、開拓使のシンボルマークも、五角形の星マーク。
開拓使が入った当初は札幌も原始林が広がる森だったわけですが、その後、土地の土で作ったレンガで建築し、長い月日をかけて植物で改めて覆われていく。
なんだか一人ロマンを感じるのでした。
と、、、、つい立ち止まって見たり、あれこれ写真を撮ったりしていると、いつのまにか家族に置いてけぼりにされてました(笑)
いえ、娘を連れていってくれ、ひとり時間を楽しませてくれた夫にありがとうです(おそらくですが笑)
現在、このレンガ館は耐震改修中で、2023年冬に終わる見込みのようです。
今後大きく成長した娘が、かつての人たちが培ってきた素材と場所の良さを引き続き感じられるような改修になっていたらいいなと期待します。
見学した日は11月23日の「勤労感謝の日」。
北海道を作り上げてきてくれた多くの人たちと歴史に感謝です。